「松田洋治はなぜこれほど声の演技が巧みなのに、アニメのレギュラー出演を多く持たないのか?」という疑問を抱くファンは少なくありません。その理由は、彼のキャリアの根幹が子役時代から続く舞台・映像俳優としての歩みにあるからです。
松田は1970年代、若干5歳で子役としてデビューを果たしました。NHK大河ドラマ『花神』『草燃える』『徳川家康』や特撮ドラマ、数々の映画に出演し、卓越した感性と演技力を持つ名子役として名を馳せます。思春期以降も学業と両立させながら映画『ドグラ・マグラ』など難度の高い作品で主演・主要キャストを務め、着実に役者としての地力を固めました。
劇団四季のミュージカル『春のめざめ』をはじめとする本格的なストレートプレイやミュージカル、商業演劇の舞台に主軸を置いているため、彼にとって声優という仕事は「役者としての多彩な表現領域のひとつ」という位置づけです。舞台仕込みの発声、身体全体で感情を立ち上げるアプローチがあるからこそ、マイクの前でも唯一無二の存在感を放つのです。