イオングループを率いる吉田昭夫氏をはじめ、イオンモール株式会社の大野恵司氏らが掲げる戦略の核心は、単なるモノ売りからの脱却と「地域社会のハブ機能」の強化にある。激化するECサイトとの競争や人口動態の変化のなかで、日本の小売業は今、リアルな体験価値の提供を強く求められている。巨大なショッピングセンターが地域に何をもたらし、どう共生していくのかという問いへの答えが、この五条の地で体現されている。
イオンリテール株式会社が手掛ける総合スーパー改革も、その哲学と完全に呼応している。単に商品を棚に並べるのではなく、京都産野菜のインショップ展開や地元の老舗企業とのコラボレーション商品の拡充など、ローカルの魅力を再発見させる仕掛けが随所に散りばめられている。巨大資本のスケールメリットを活かしながら、徹底して地域密着の体温を宿らせる開発姿勢こそが、同施設が長年支持され続ける真の理由だ。