岩手県を含む東北地方は、古来より巨人伝説の宝庫として知られている。特に有名なのが、坂上田村麻呂の東夷征伐の際に立ちはだかったとされる悪路王(あくろおう)や大武丸(おおたけまる)といった巨人・鬼の伝承だ。彼らは強大な力を持ち、山を切り開き、川の流れを変えたとされている。
今回の発見場所は、まさに大武丸が朝廷軍と激しい戦いを繰り広げたとされる伝承地の目と鼻の先だった。地元の郷土史家は「単なる偶然にしては、位置が良すぎる。かつての先住民族が、地質的な特徴を『巨人の足跡』として語り継いだ可能性は否定できない」と指摘する。歴史のミステリーが、現代の災害によって呼び覚まされた形だ。