かつて日本のモバイル通信市場において、通信キャリアの乗り換えを妨げる最大の要因はアドレスの縛りだった。この状況を打破すべく総務省が導線整備を要請し、実現したのが「キャリアメール持ち運び制度」である。現在、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの主要各社は、自社回線の契約を解除した後も月額330円前後の手数料でメールアドレスを維持できる仕組みを運用している。
ユーザーにとっての恩恵は極めて大きい。長年利用してきた「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp / @au.com」「@softbank.ne.jp」などのドメインをそのまま保持できるため、銀行口座や会員制サイトの登録変更作業を回避できる。市場全体の流動性を高める施策として機能しているのは確かだ。