消費者はなぜ、あえて怪しい味に金を払うのか。取材で見えてきたのは、単なる味覚の満足を超えた「体験の消費」だ。「不味かったらどうしよう」というささやかなリスク感が、一口食べた瞬間、脳内のアドレナリンを増幅させる。一口目の強烈なインパクトと、二口目以降に広がる意外な旨味。この「ギャップ設計」こそが、消費者を病みつきにさせる開発現場の秘伝だ。
さらに、購入者が自発的に発信者となる構造も見逃せない。失敗すればネタになり、美味しくても驚きとしてシェアされる。どちらに転んでも消費者が勝手に拡散してくれる仕組みが、広告費をかけずに爆発的な話題を生み出す仕掛けとなっていた。