雑食動物だからといって、人間と同じものをそのまま与えるのは命取りになります。豚に与えてはいけないものの中には、一般家庭の台所に日常的に並ぶ食材が数多く含まれています。
豚の中毒危険食材の筆頭は、タマネギ、長ネギ、ニラ、ニンニクなどのネギ属植物です。含有されるアリルプロピルジスルフィドなどの有機硫黄化合物が赤血球のヘモグロビンを酸化・破壊し、急性溶血性貧血やヘモグロビン尿を引き起こします。加熱調理されたスープの残り汁であっても毒性は消えません。
次に警戒すべきは、チョコレート、ココア、コーヒー、緑茶などのカフェイン・テオブロミン含有食品です。中枢神経刺激作用と心筋興奮作用により、痙攣(けいれん)、不整脈、最悪の場合は心不全に至ります。
その他の主要な危険食材とその毒性メカニズムは以下の通りです。
- アボカド:全草(果肉、種子、葉、皮)に含まれる毒素「ペルシン」が、心筋壊死や呼吸困難を誘発。
- 生のジャガイモの芽・青皮:有毒アルカロイド「ソラニン」「チャコニン」による神経症状・激しい消化器障害。
- 生のインゲン豆:植物性血球凝集素(レクチン)による重篤な嘔吐・下痢(十分な加熱が必須)。
- 塩分の高い加工食品(味噌汁、ポテトチップス、漬物など):豚は食塩感受性が高く、飲水制限下で過剰な塩分を摂取すると「食塩中毒(好酸球性脳軟化症)」を起こし、旋回運動や失明、死に至る。
- ブドウ・レーズン:犬と同様に急性腎不全を引き起こす危険性が指摘されている。