SNSやQ&Aコミュニティ上では、「資格証で病院にかかったが、高額な支払いで生活費が尽きた」「役所に申請しに行ったら全額滞納分に回されると言われた」といった困惑と悲痛な声が散見されます。調査報道の視点から自治体窓口の運用実態を追うと、現場では制度の建て前と利用者の切迫した生活実態との間に大きな乖離が存在しています。
現場取材や福祉関係者の証言によると、資格証明書を発行されている世帯の多くは、低所得や急な失業、病気療養による収入減など、複合的な生活困窮を抱えています。そうした中で10割負担の医療費を工面して受診し、その還付金を生活費の補填として当てにしている世帯が少なくありません。
しかし、自治体の徴収担当部署と国保給付担当部署が連携している現場では、特別療養費の申請と同時に「滞納保険料の納付相談」がセットで行われるのが通例です。利用者の「今すぐ生活費として返還してほしい」という切実な要求に対し、行政側は「滞納解消に向けた債権回収」という法的役割を果たす必要があり、窓口での激しい押し問答に発展するケースが後を絶ちません。