インターネット上の言説で頻繁に見受けられる致命的な誤解が、「立ちくらみ=貧血だからレバーやサプリメントで鉄分を補給すれば良い」という思い込みです。
健康診断の血液検査でヘモグロビン濃度に異常がないにもかかわらず、深刻な立ちくらみや失神を繰り返す人は数多く存在します。前述の通り、立ちくらみで倒れる主因の多くは「血液の質(赤血球不足)」ではなく「血流の力学(自律神経や心機能による血圧調整)」の問題です。鉄分を摂取しても自律神経の反射異常や起立性低血圧が改善することは基本的にありません。
さらに高齢者の場合、降圧薬(血圧を下げる薬)の効きすぎや、利尿薬による潜在的な脱水が原因で立ちくらみ転倒を起こし、大腿骨骨折などの重篤な寝たきりリスクに直結するケースが後を絶ちません。自己判断でサプリメントに頼ったり放置したりせず、薬の見直しを含めた医師の診断が不可欠です。