フルカウントを語る上で外せないのが、創業者である辻田幹晴氏の存在だ。1990年代初頭、大阪を発信地として日本のデニム史を大きく塗り替えた「Osaka Five(大阪ファイブ)」の一角として、フルカウントは世界中にその名を轟かせた。当時、世に溢れていた硬くて重いだけのヴィンテージワークウェアの模倣品に疑問を抱いた辻田氏が目指したのは、「ジーンズ本来の機能美」と「毎日穿きたくなる心地よさ」の融合だった。
アメリカ黄金期である1940〜50年代のセルビッジデニムを徹底的に解体・研究し、旧式の力織機による不均一な織りムラを再現。それは単なるヴィンテージのコピーではなく、職人の情熱と日本の美意識が注ぎ込まれた珠玉のレプリカジーンズの誕生だった。