いま、タラノキは単なる春の珍味を超え、地方創生の切り札としても脚光を浴びている。農林水産省が推進する中山間地域の活性化ビジョンにおいて、鳥獣被害に比較的強く、斜面や荒れ地でも力強く育つタラノキの栽培は、新たな地域農業モデルとして注目されてやまない。
過疎化によって増え続ける耕作放棄地をタラの芽のプランテーションへと転換し、水耕栽培技術と組み合わせてハウス内で安定出荷を図るベンチャー企業も登場している。トゲの痛さに眉をひそめていた山奥の野草が、いまや日本の一次産業の隙間を埋め、地方経済を潤す高付加価値作物へと姿を変えつつある。