前話のラスト、感情を完全に失ったはずのバーソロミュー・くまが拳を振り上げた瞬間、世界中の読者が息を止めた。ボニーを握りつぶそうとする冷酷な権力者、ジェイガルシア・サターン聖。その醜悪な笑みを浮かべる顔面に、怒りと情念が凝縮された鋼鉄の拳が振り下ろされるのか。
放たれた打撃は、物理法則すら歪めるかのような威容を誇っていた。吹き飛ぶ瓦礫。大地を走る亀裂。サターン聖の異形化が崩れ去るほどの衝撃波がエッグヘッドを震わせる。単なる肉体的な痛みではない。虐げられてきた歴史と、娘を救いたい一心で自我を差し出した父親の魂が叩きつけられた一撃だった。
だが、五老星の底知れぬ力は常軌を逸している。傷口が不気味に再生し、再び立ち上がるサターン聖。完全な勝利とはいかないまでも、くまの決死の行動は崩壊しかけた戦況に確かな活路を開いた。最新話の結末に向けて漂う空気は、逃走劇から真っ向勝負の総力戦へと劇的な変貌を遂げている。