料理本やネットレシピによって「あらかじめ下ゆでする」と指示するものと「生のまま揚げる」とするものが混在しており、迷う読者も多いポイントです。結論から言えば、仕上がりで目指す食感と切り方によって下ゆでの要否は完全に分かれます。
ごぼうの切り方には主に「乱切り(またはスティック状)」と「ささがき」の2大潮流が存在します。乱切りはごぼう特有の野趣あふれる歯ごたえと甘みを楽しむスタイルで、居酒屋の一品料理として定番です。一方、ささがきは表面積が広く火の通りが早いため、パリパリとしたスナック感覚の食感に仕上がります。
太さのある乱切りや縦4等分のスティックカットにする場合、完全に生のまま高温で揚げると、中まで火が通る前に外側の衣が焦げてしまいます。しかし、わざわざ鍋でお湯を沸かして下ゆでする必要はありません。「耐熱ボウルに入れてラップをし、電子レンジ(600W)で1分30秒〜2分加熱する」という時短アプローチが極めて有効です。熱を通すことで繊維が適度に緩み、下味がわずか数分で芯まで浸透するメリットも生まれます。
一方で、ピーラーや包丁で薄く削ったささがきを用いる場合は、事前の加熱は一切不要です。生のまま調味液をサッと絡めて粉を叩き、高温の油で1〜2分泳がせるだけで、軽やかなチップス状の極上おつまみに仕上がります。