「私、失敗しないので」という象徴的なフレーズは、脚本を担当した中園ミホさんがゼロから空想したものではありませんでした。その誕生の瞬間は、ドラマ第1シリーズが放送された2012年夏、ロンドン五輪にまで遡ります。
当時、テレビ朝日のプロデューサー陣とともに新番組の構想を練っていた中園さんは、テレビ画面越しに柔道女子57キロ級の戦いに釘付けになっていました。畳の上で凄まじい気迫を見せ、「野獣」の異名をとった松本薫選手が金メダルを獲得した直後、インタビューで語った「ミスをしないというか、失敗しないので」という言葉に雷を打たれたような衝撃を受けたといいます。
常人なら口にすることすら恐れる「失敗しない」という断言。世界の頂点に立つアスリートが、血のにじむような修練の末に自分自身を信じ切って放ったその覚悟こそ、中園さんが追い求めていた新しい女性ヒーロー・大門未知子の魂として吹き込まれることになりました。