インターネット上で「びわの種が癌に効く」と語られる最大の根拠は、種に含まれる「アミグダリン」と呼ばれる成分です。かつて一部の研究者がアミグダリンを精製・加工した物質を「レアトリル」と名付け、「ビタミンB17」と称してがん治療薬として宣伝した歴史的経緯があります。
しかし、米国国立がん研究所(NCI)や世界各国の医療研究機関による臨床試験において、アミグダリンおよびレアトリルのがん治療・予防効果は完全に否定されています。米国食品医薬品局(FDA)は治療薬としての販売を一切認可しておらず、日本国内の国立健康・栄養研究所のデータベースでも「有効性を示す客観的なデータは見当たらない」と明記されています。
それどころか、ビタミンを自称して安全性をアピールする行為そのものが科学的虚偽であり、「びわの種でがん細胞だけが破壊される」という言説は、医学的エビデンスのない危険な俗説に過ぎません。