大会の主舞台となったのは、豊かな緑と青空に抱かれたひなた宮崎県総合運動公園陸上競技場です。タータントラックの反発性の高さと、日向灘から吹き込む特有の海風がランナーたちの背中を押す好会場ですが、2026年大会は天候という見えない敵との戦いでもありました。
当初発表されていた宮崎県高校総体陸上競技日程では、5月30日から6月2日までの4日間開催が組まれていました。しかし、大会中盤から接近した台風に伴う強風と記録的な豪雨に見舞われ、安全確保を最優先とした大会本部の英断により、6月2日に予定されていた全セッションが翌6月3日へとスライド順延されました。この変更に伴い、宮崎県高校総体陸上タイムテーブルは大幅な再編を余儀なくされたのです。
決勝種目が凝縮された最終日の6月3日は、朝一番のモーニングセッションから夕方のリレー決勝まで息つく暇もないタイトな進行となりました。ウォーミングアップの時間配分、招集所への点呼タイミング、レース間の疲労回復(アクティブレスト)や栄養補給のマネジメントなど、選手個人だけでなくチーム全体の総合力が問われる極限状態でした。関係者の証言によると、「順延が決まった前日は宿舎で全員で気持ちを切らさないようミーティングを重ねた」と語る指導者も多く、見えないバックヤードでの冷静な対処が明暗を分けたと言えます。
リアルタイムで更新される宮崎県陸上競技協会記録速報のWebサイトにはアクセスが集中し、競技場に足を運べない県内外の陸上ファンやOB・OGたちが固唾をのんでスマートフォンの画面をリロードし続ける姿がSNS上でも散見されました。