『仮面ライダーアギト』の物語を語る上で欠かせない最大の謎が、中盤から終盤にかけて主人公・津上翔一(演:賀集利樹)たちの前に立ちはだかる「謎の少年」の存在です。「仮面ライダーアギト 神木隆之介 何役」という疑問への答えは、劇中の絶対的存在である「オーヴァーロード(闇の力)」の幼年期です。
この「闇の力」は、世界を創造し人間を作り出した神のような存在であり、敵対する怪人組織の首領といった単純な枠組みには収まりません。太古の昔、双子の存在であった「光の力」との戦いに勝利した闇の力は、光の力が自らの死に際に人間に託した「アギトの種(神に反逆しうる超能力)」を恐れ、自らの眷属であるアンノウン(使徒)を放って、アギトへと覚醒しつつある人間を抹殺しようと画策します。
劇中において、この神は最初から少年の姿をしていたわけではありません。古代のオーパーツ(遺伝子ディスク)から復元されたDNAにより、赤ん坊として受胎・誕生し、驚異的なスピードで成長を遂げました。乳児期から幼児期を経て、第20話前後から第42話にかけて「謎の少年」として登場したのが神木隆之介です。
当時小学2年生、実年齢7歳から8歳だった神木隆之介は、小柄な身体からは想像もつかない重厚な存在感を放ちました。手から不可思議な光の球体を放ち、アギトの力を一時的に奪い去るなど、画面越しに視聴者を戦慄させる冷徹な振る舞いは、特撮史に残る強烈なインパクトを残しました。