現在、「伸びしろ」という概念は単なるお笑いネタを完全に脱却し、ビジネスや教育現場における必須のコミュニケーション技法として再評価されています。その理由は、認知心理学でいう「認知的再評価(リフレーミング)」の機能を極めて自然に果たしてくれるからです。
例えば、部下のプレゼン資料に不備があった際、「準備不足で出来が悪い」と指摘すれば相手は防衛的になり、モチベーションを削がれます。しかし、「構成のロジックにはまだまだ伸びしろがあるね」と言い換えるだけで、焦点は「過去の失敗」から「未来の到達可能性」へと劇的にシフトします。ネット上の若手ビジネスパーソンの声を見ても、「上司に『伸びしろしかない』と言われて救われた」「ダメ出しされるより成長課題として提示された方が前向きに取り組める」といった好意的な意見が目立ちます。
言葉一つで心理的プレッシャーを自己効力感へと変換できるユーモアと実用性が、ブームから10年以上が経過した今もなおこの言葉が廃れない最大の要因です。