映画館の暗闇に座り、ただ受動的にスクリーンを見つめるだけの鑑賞体験は過去のものになりつつある。韓国のCJ CGVの子会社であるCJ 4DPLEXが開発した「4DX」は、映画館をテーマパークのアトラクションへと変貌させた。
座席が前後左右・上下へと激しく稼働するモーションシートに加え、水しぶき、風、霧、フラッシュ、香り、さらには雪や嵐まで再現する環境エフェクト。これらは単なるギミックではない。映画のカット割りや音響設計と完全に同期し、登場人物が受ける衝撃や体温までも客席へダイレクトに伝達する演出装置だ。
自宅のリビングでどれほど優れた音響機器を揃えようとも、座席ごと揺さぶられ、頬を濡らす雨を感じることはできない。映画興行産業がデジタル配信との差別化を図る上で、4DXはまさに究極の武器として機能している。