前髪の両サイドまたは中央付近がカマボコ型や台形状に盛り上がり、頭皮との間にぽっかりと空間が空いているデザイン。この独特な前髪がなぜ「エアインテーク」と呼ばれるようになったのか、その発祥にはサブカルチャー特有の観察眼とユーモアが深く関係しています。
語源となったのは、レーシングカーや戦闘機、高性能スポーツカーのボンネット・サイドボディに設置される空気吸入口(Air Intake)です。外気を取り込んでエンジンを冷却したり燃焼効率を高めたりするための開口部と、キャラクターの前髪にできた「すき間」のシルエットがあまりにも酷似していたことから、2000年代初頭のネットコミュニティ(2ちゃんねるや個人テキストサイトなど)を中心に自然発生的に命名されました。
元ネタの歴史を遡ると、1980年代から1990年代にかけて流行した「トサカ前髪」やバブル期のダブルバング、さらには少年漫画における立体的な髪の誇張表現が下地となっています。美少女ゲームや深夜アニメの黎明期において、クリエイターたちが「平面的になりがちな前髪にどうやって立体感と軽やかさを与えるか」を試行錯誤した結果、このアイコニックな造形が誕生しました。