インターネット上の掲示板やSNSでは、民間療法的な対処法が数多く飛び交っていますが、医学的に見ると逆効果になりかねない誤解が散見されます。
最も多い疑問の一つが「口角炎にオロナインは効くのか?」という点です。オロナインH軟膏の主成分であるクロルヘキシジングルコン酸塩は、一般的な細菌に対する殺菌消毒作用を持ち、添付文書の効能にも「ひび・あかぎれ」が含まれています。そのため、軽度の乾燥性亀裂や軽微な細菌感染の初期であれば保護と殺菌に寄与します。しかし、口唇粘膜への長期連用は刺激になり得るほか、前述の「カンジダ菌」に対しては効果を発揮しません。数日塗っても好転しない場合は直ちに使用を中止すべきです。
また、口角炎にワセリンを使用するアプローチは非常に有用ですが、単体で「炎症を消し去る治療薬」ではないという点を認識しておく必要があります。ワセリンの真価は、外気や唾液の刺激から傷口を遮断する「物理的シールド機能」にあります。最も推奨される使い方は、まず医薬品軟膏を患部に浸透させ、その上から少量のワセリンをやさしく重ねて密閉する二重ケアです。