他宗派の門徒が曹洞宗のお盆飾りを見て最も驚くのが、「水の子(みずのこ)」と「閼伽水(あかすい)」の存在です。これらは曹洞宗において欠かすことのできない最重要のお供え物です。
水の子の作り方と盛り付け:洗った生米と、細の目(5mm角程度)に刻んだ生のナス・キュウリを均等に混ぜ合わせます。これを洗った里芋の葉、または蓮の葉の上に小高く盛り付けます。渇きと飢えに苦しむ餓鬼道の霊でも喉を通りやすいように配慮された、極めて細やかな慈悲の供養品です。
閼伽水とミソハギの役割:小鉢に清浄な水を張り、その上にミソハギの花(5〜6本を束ねたもの)を渡すように添えます。ミソハギは「禊萩(みそぎはぎ)」に由来し、悪霊を祓い清める力を持つとされます。お参りの際は、ミソハギの束に閼伽水を含ませ、水の子の上に数滴パッパと振りかけて供養します。自分たちのご先祖様だけでなく、供養してくれる者のいないすべての精霊(三界萬霊)にも等しく功徳を回向する、曹洞宗の「施餓鬼の心」がここに凝縮されています。