受験生や保護者が最も慎重に見極めるべきポイントが、卒業後に課される「9年間の自衛隊勤務義務(看護学科自衛官コースは7年間)」です。国費によって医師免許を取得した見返りとして、卒業後一定期間は防衛省・自衛隊の医療機関や部隊で勤務することが義務付けられています。
もしこの義務年限を満たさずに自己都合で離職(退職)し、民間の病院やクリニックへ転職・開業する場合は、在学中に国から支給された手当や免除された授業料等に相当する「経費償還金」を一括返還しなければなりません。
償還金の総額は卒業直後の離職で最高約4,000万〜5,000万円規模に達します。勤務年数が経過するごとに返還額は減額(年数に応じた按分計算)されますが、卒業後3〜5年目の段階で退職しても数千万円単位の債務が発生します。過去には民間病院がこの償還金を肩代わりして防衛医大出身の優秀な医師を引き抜くケースも見られましたが、近年は防衛省側の法改正や規定強化、病院側のコンプライアンス意識の高まりにより、安易な途中離職は極めて困難な選択肢となっています。