猗窩座を語る上で欠かせないのが、鬼殺隊最高峰の剣士たちと繰り広げた2つの伝説的な死闘です。
1つ目は、全世界興行収入500億円を突破した歴史的傑作『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』で描かれた煉獄杏寿郎と猗窩座の戦いです。下弦の壱・魘夢を倒した直後に突如として現れた猗窩座は、煉獄の卓越した闘気を見るや否や「お前も鬼にならないか?」と執拗に勧誘します。人間は老いて衰えるからこそ尊いと説く煉獄と、至高の武を永遠に磨くため老いを否定する猗窩座。両者の思想的対立は激突し、猗窩座は炎柱の急所を貫いて致命傷を負わせるものの、死の間際に見せた煉獄の不屈の闘志に圧倒され、夜明けの光から逃亡する屈辱を味わいました。
そして2つ目が、物語のクライマックスである無限城編における猗窩座戦です。仇敵との因縁に決着をつけるべく挑む竈門炭治郎と水柱・冨岡義勇。痣を発現させた義勇の流麗な剣技と、成長を遂げた炭治郎の連携に対し、猗窩座は圧倒的な体術と「終式・青銀乱残光」で二人を限界まで追い詰めます。
この戦いにおいて勝敗の分水嶺となったのは、炭治郎が父・炭十郎の教えから体得した「透き通る世界」と「無我の境地(殺気・闘気の完全な消去)」でした。猗窩座の羅針は相手の闘気を感知して動くため、闘気を一切放たない炭治郎の接近を感知できず、ついに炭治郎のヒノカミ神楽によって頸を両断されるに至ったのです。