トンボの目の数は2つではない?巨大複眼2万個と3つの単眼の驚異に関する質問を丁寧にまとめました。詳細な解説をチェックしましょう。
「トンボは人間よりも目が良いのか」という疑問に対し、最新の比較解剖学データは明瞭な回答を提示しています。静止した文字をシャープに読む「視力(空間分解能)」では人間の水晶体眼が圧勝しますが、動いている物体を認識する「動体視力(時間分解能)」や「視野角」、そして「色覚の受容幅」においては、トンボが人間を圧倒的に引き離しています。
項目詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価視覚受光単位個眼約10,000〜28,000個(オニヤンマは片側約2万個)昆虫一般:数千個程度(イエバエ約2,000個)全昆虫の中で最高峰の集積度を誇る水平視野角約350〜360度(死角は背後直下の微小域のみ)人間:約180〜200度(両眼重複視野約120度)首を動かさずに全周囲を監視可能な全方位レーダー時間分解能(フリッカー融合頻度)毎秒200〜300フレーム(Hz)を識別人間:毎秒約50〜60フレーム(Hz)人間の目には超スローモーションの世界が見えている視力(空間解像度)0.01〜0.03相当(モザイク状の粗い画像)人間:健康時1.0〜1.5程度解像度は低いが、動く輪郭と明暗差の検出に特化色覚受容体の種類(オプシン)15〜30種類以上(紫外線〜偏光まで感知)人間:3種類(赤・緑・青の3色型色覚)人間には知覚不可能な光の波長と反射を捉える
トンボ視力人間との比較最新データを精査すると、トンボの見え方と色覚の仕組みは極めてSF的です。人間は網膜の錐体細胞によって光の三原色(赤・緑・青)を認識していますが、トンボは紫外線から青、緑、赤、さらには水面の乱反射を見分ける偏光(光の振動方向)まで識別する視覚遺伝子を最大30種前後も保持しています。水辺を飛ぶトンボが、太陽光が乱反射する水面下を正確に見通し、産卵場所や獲物を瞬時に特定できるのはこの多色性センサーのおかげです。