インターネットの掲示板やSNS、知恵袋などでは、日夜クレジットカードを巡る受給者の苦悩や疑問が吐露されています。現場取材で得られた利用者の生々しい告白と、福祉事務所のケースワーカーが抱く本音を照らし合わせると、制度と生活のリアルな摩擦が浮き彫りになります。
首都圏で生活保護を受給する40代男性の手記には、こう記されています。
「受給前から持っていた年会費無料のカードを、どうしてもスマホのサブスクを維持したくて毎月1,000円だけ使い続けていました。現金で引き落とし口座にお金を入れておけば大丈夫だと思い込んでいたのですが、1年後の口座一斉調査でケースワーカーから『この引き落としは何ですか』と厳しく追及されました。理由書を書かされ、過去1年分の利用明細をすべて提出させられたときの屈辱と恐怖は今でも忘れられません」
一方、地方都市の福祉事務所で勤務する現役ケースワーカーは、現場の事情をこう明かします。
「私たちは受給者をいじめるために口座を見ているわけではありません。クレジットカードの利用を放置すると、キャッシングに手を出し、ヤミ金や多重債務に逆戻りしてしまうケースが多発しているからです。また、カード決済で付与されるポイント(いわゆるポイ活)についても、『日常の少額利用に伴うポイント付与は値引きと同等』とみなすケースが一般的ですが、高額なポイント還元を転売目的で得ているような場合は、資産形成として収入申告を求めざるを得ません」
【プロの結論】経済的自立と依存症予防の観点から見出すべき教訓
クレジットカードは便利な道具である反面、「手元に現金がなくても買い物ができてしまう」という性質上、金銭感覚の麻痺を引き起こしやすい金融商品です。生活保護受給に至った背景に、過重なカードローンやショッピング依存、ギャンブルによる多重債務が存在していたケースは少なくありません。
社会学や臨床心理学の観点からも、困窮からの再生過程において最も重要なのは、「自らの手元にある現金の範囲内で生活を完結させる心理的バウンダリー(境界線)」を再構築することです。カードによる後払いは、未来の自分からの前借りに他なりません。保護費という限られた原資の中で生活を立て直すリハビリ期間において、クレジットカードを手放し、目に見える現金やデビットカードの即時引き落としに切り替えることは、単なる規則遵守にとどまらず、精神的な自立を取り戻すための不可欠なステップといえます。
以下の判断基準を参考に、自らの決済手段を直ちに見直してください。
- デビット・プリペイドへの完全移行をおすすめできる人:
- ネット通販や光熱費・通信費の引き落としを安全に行いたい人
- ケースワーカーとの信頼関係を保ち、精神的に平穏な療養・就学・就労活動を行いたい人
- 自らの支出をリアルタイムに把握し、無駄遣いを根本から断ち切りたい人
- クレジットカードの保持・利用に慎重になるべき(即刻利用を停止すべき)人:
- 「来月の保護費が入れば返せる」と後払いやリボ払いを使おうとしている人
- 過去にキャッシングやリボ払いで借金苦に陥った経験がある人
- ケースワーカーに明細を見られることに怯えながら生活している人