「柑橘類を食べれば風邪予防になる」と一口に言われますが、含まれる微量栄養素の内訳には顕著なコントラストがあります。文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補」の公表データをもとに、可食部100gあたりの詳細な数値を比較検証します。
データが示す通り、ビタミンC含有量においてオレンジは温州みかんの約1.9倍に達します。成人の1日あたりのビタミンC推奨摂取量は100mg(厚生労働省「日本人の食事摂取基準」)と定められていますが、大きめのネーブルオレンジを1個(可食部約170g)食べるだけで1日の目標値を軽々とクリアできます。
温州みかんが誇る最大の強みはβ-クリプトキサンチンの圧倒的な豊富さです。温州みかん100g中に含まれる1,800μgという数値は、オレンジの10倍以上。農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)による長期疫学調査(三ヶ日町研究)において、血中β-クリプトキサンチン濃度が高い人ほど骨粗しょう症や生活習慣病のリスクが有意に低いことが報告されており、骨の健康維持という観点ではみかんが極めて優れた機能性を発揮します。
カロリー面では100gあたり40〜50kcal前後と大差ありません。しかし、糖酸比(糖度と酸度のバランス)の違いにより、みかんは酸味が穏やかで甘みをダイレクトに感じやすく、オレンジはクエン酸の含有量が高いため爽快なキレのある酸味が際立ちます。