ネット上のQ&AサイトやSNSでは、1月10日にまつわる習慣や由来について、事実とは異なる誤解が少なからず出回っています。特に注意したい2つの盲点を検証します。
誤解1:十日戎の福笹は「どの神社に返納しても問題ない」のか?
新年に授与されたお札やお守りは、年末年始に近くの神社でお焚き上げしてもらうのが一般的です。しかし、十日戎の「福笹」は原則として授かった神社(戎神社)に翌年持参して返納するのが作法とされています。
戎神社の神職関係者の談話によると、「遠方でどうしても持参できない場合は近隣の神社に相談することも致し方ないが、福笹はえびす神の神木として特別な祈祷が込められているため、本殿へのお礼参りを兼ねて同じ社に納めるのが本来の礼儀」とされています。ネット上で見られる「ゴミとして勝手に処分して良い」「どこでも適当に投函すればいい」といった安易な情報は、長年受け継がれてきた商売人の敬意を欠く行為になりかねません。
誤解2:「明太子の日」は年に2回存在する?
カレンダーアプリや雑学サイトを見ていると、「明太子の日が1月10日と12月12日の両方に載っていて混乱する」という声が頻繁に聞かれます。これは決して間違いではありませんが、制定した団体と文脈が明確に異なります。
- 1月10日の明太子の日:ふくやが日本で初めて店頭販売を開始した「販売記念日(商売の始まり)」
- 12月12日の明太子の日:1914年(大正3年)12月12日の新聞に「明太子」という名称が初めて活字として登場したことを記念する「明太子の発祥記念日」
前者は食文化としての普及、後者は文献上の記録を重視したものであり、この違いを把握しておくと雑談の場で一歩踏み込んだ知的な訂正ができます。