限られた旅程の中で最高の満足度を引き出すためには、館内に入る前からの緻密なスケジュール設計が不可欠です。現在、ルーブル美術館では混雑緩和のため、現地窓口での当日券販売を極限まで絞り込んでおり、ルーブル美術館チケット予約における「日時指定オンラインチケット」の事前取得が実質的な必須条件となっています。予約枠は公式サイト上で数週間前から順次埋まっていくため、渡航計画が決まり次第、最優先で午前9時の「ファーストスロット(初回枠)」を確保するのが鉄則です。
朝一番の午前9時にピラミッド中央入口から入場できた場合、以下のルートを通ることで、混雑に巻き込まれることなく主要作品を2時間強で効率的に鑑賞できます。
- 9:05 入場直後:中央ナポレオン・ホールからエスカレーターで直接「ドゥノン翼」へ直行。他の展示には目もくれず、階段を駆け上がりダリュの階段踊り場へ。
- 9:15 『サモトラケのニケ』鑑賞:まだ観光バスツアー客が到達していない静寂の階段で、真正面から見上げる劇的な構図を独占鑑賞。
- 9:25 『モナ・リザ』と『カナの婚礼』:そのまま第711室へ直行。開館直後であれば最前列のロープ際まで遮るものなく進むことができ、巨匠の筆跡を至近距離で確認可能。振り返って『カナの婚礼』の壮大さを味わう。
- 9:45 大型フランス絵画の回廊へ:隣接する赤の広間(モリアン展示室)へ進み、ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』、ジェリコーの『メデューズ号の筏』、ダヴィッドの『ナポレオン一世の戴冠式』を鑑賞。
- 10:15 シュリー翼へ移動し『ミロのヴィーナス』へ:連絡通路を通り、シュリー翼の古代ギリシャ・ローマ美術部門へ下降。大理石の艶やかさと均整の取れた背面美を多角的に観察。
- 10:45 リシュリュー翼またはカフェへ退避:三大至宝を押さえた後は、フェルメールの『レースを編む女』が静かに迎えるリシュリュー翼へ向かうか、ガラスのピラミッドを望むカフェで休憩を取る。
この回り方を厳守すれば、正午近くになって館内が歩行困難なほど混み合う時間帯には、最も重要な見どころをすべて見終えていることになります。一般的な旅行者の鑑賞所要時間目安は、ダイジェストであれば2〜3時間、絵画ファンが中規模に回る場合でも半日(約4時間)に留めるのが、体力的にも集中力的にも限界値と言えます。