ラーメンサラダの起源は、昭和末期の1985年に遡ります。誕生の地は、北海道札幌市中央区の「札幌グランドホテル」内にオープンしたビアホール「ビッグジョッキ」です。当時の総料理長・大和実智雄氏が、「麺類を主食としてではなく、お酒に合うサラダとして提供できないか」と発案したのがすべての始まりでした。
当時の報道やホテルの社史によると、開業当初の元祖ラーメンサラダは、現在のような濃厚なマヨネーズがけではなく、ホテルのフレンチ技術を応用した「特製フレンチドレッシングと中華麺の融合」という極めて洗練された一皿でした。冷水で締めた中太の縮れ黄色麺の上に、エビ、カニ、レタス、トマトを贅沢に盛り付け、酸味の効いた特製ドレッシングで和えて供されたのです。
この上品なホテルメニューが、なぜ現在のような「ごまマヨベース」へと変貌を遂げたのか。その背景には、1990年代以降の北海道における居酒屋チェーンの台頭がありました。地元の若者やサラリーマンの胃袋を掴むため、居酒屋各店がボリュームアップと親しみやすい味付けを模索。その過程で、冷やし中華の甘酸っぱさよりもビールが進む「焙煎ごまドレッシング」や「自家製マヨダレ」を組み合わせるスタイルが爆発的な支持を獲得し、道民のソウルフードとして定着していったのです。