大人の軽度知的障害に見られる特徴|仕事のミスと発達障害の違い

大人の軽度知的障害に見られる特徴|仕事のミスと発達障害の違い

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大人になってから軽度知的障害と向き合うことになった当事者の証言からは、共通した過酷な軌跡が浮かび上がります。

都内のIT関連企業で一般事務として勤務していた20代後半の女性は、自著の手記やカウンセリングの場で次のように告白しています。

「学生時代は親身な先生の指導や友人のおかげで、赤点を取りながらも高校・短大を卒業できました。しかし就職後、複数の電話を取りながら書類を整理し、スケジュールをその場で調整する業務が始まった途端、完全に頭の処理が追いつかなくなりました。『何回言ったら覚えるの?』と毎日怒鳴られ、毎朝駅のトイレで吐く日々が続きました。心療内科で知能検査を受け、軽度知的障害と診断された瞬間、ショックよりも『私は怠けていたわけじゃなかったんだ』と涙が止まりませんでした」

厚生労働省の各種白書や就業実態調査でも示されている通り、知的障害・発達障害グレーゾーンの当事者が適切な支援につながる契機は、「職場での重大なトラブル」や「うつ病・適応障害といった二次障害の発症」である割合が際立って高くなっています。

さらに深刻なのは、家族との関係性です。家庭内で「うちの子はちょっと不器用なだけ」「頑張れば人並みにできる」と現実を直視することを避けてきた保護者のもとで育った当事者は、適切な療育を受けられないまま大人になり、過度な自責感に苛まれる傾向が顕著です。健全な自己肯定感を育めないまま「毒親的な過度な期待」や「過保護による意思決定機会の剥奪」に晒されてきたケースも少なくありません。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。