耳の下の腫れと痛くないしこりの正体|危険な病気と受診の目安

耳の下の腫れと痛くないしこりの正体|危険な病気と受診の目安

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医療現場の取材において、耳鼻咽喉科の専門医たちが口を揃えて強調するのが「患者の認識と病状の重篤さの解離」です。多くの人は「痛い=重病」「痛くない=大したことない」という直感的な思い込みに囚われています。しかし頭頸部領域の病理においては、むしろこの方程式は逆転します。

都内の大学病院頭頸部外科で治療を受けた40代男性の手記には、生々しい後悔が綴られています。「3年ほど前から右の耳たぶの裏に小豆大のしこりがあったが、指でつまんでも全く痛みがなく、熱も出ないため『ただの脂肪の塊だろう』と気に留めていなかった。ところがある時期を境にピンポン球サイズまで急拡大し、慌てて精密検査を受けたところ耳下腺の悪性腫瘍(唾液腺がん)と診断された。手術で腫瘍を摘出したものの、耳下腺内を貫通している顔面神経を一部犠牲にせざるを得ず、右側の口角が上がりにくくなる後遺症が残った」という告白です。

ネット上のコミュニティや知恵袋でも「耳の下にしこりがあるが、痛くないから病院に行くべきか迷う」という相談が日常的に投稿されています。これに対し、実際に切除手術を経験したユーザーからは「良性腫瘍(多形腺腫)だったが、医師から『これ以上大きくなると顔面神経を巻き込んで手術難易度が跳ね上がっていた』と叱責された」「何年も放置して石のように硬くなっていた」といった切実な返信が相次いでいます。無痛であることは決して安心材料ではなく、むしろ「組織が炎症を起こさずに静かに増殖している危険なシグナル」と捉えるのが医学的な常識です。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。