昭和の映画雑誌界は、それぞれ独自のカラーを持つ競合誌がしのぎを削る黄金時代でした。中でも『SCREEN(スクリーン)』と『キネマ旬報』、そして『映画の友』の3誌は、読者層や編集方針において明確な棲み分けを行っていました。
近代映画社が発行する『スクリーン』は、ティーンエイジャーや女性層を強く意識したビジュアル重視の構成が特徴でした。人気スターの特大カラーピンナップやプライベート情報、ファッションチェックなどを前面に押し出し、ファンシーで親しみやすいアイドル誌的な性格を強めていきます。
一方、大正時代からの歴史を持つ『キネマ旬報』は、作家論や作品構造の分析、映画理論、さらには日本映画も含めた硬派な批評誌としてのスタンスを貫いていました。
その中にあって『映画の友』は、「華やかなスターグラビアの魅力」と「本格的な映画鑑賞の手引き」を高次元で融合させたハイブリッドな立ち位置を確立しました。スターの美しさに胸をときめかせつつも、映画監督の演出意図や撮影技法の魅力まで深く学べる誌面設計は、少し背伸びをして本物の映画文化に触れたい映画少年・少女たちの知的好奇心を強く捉えたのです。