1960年代末から1970年代前半にかけて、日本列島は空前の昭和ボウリングブームに沸き返っていました。街中にはボウリング場が乱立し、レーンを待つ人々が数時間待ちの行列を作る光景が日常茶飯事となっていた時代です。
そのブームの火付け役となり、社会的アイコンとなったのが須田開代子さんと中山律子さんでした。清潔感あふれる笑顔で「さわやか律子さん」と親しまれた中山さんに対し、須田さんはシャープな美貌と左腕から繰り出す鋭いストライクで「サウスポーの貴公子」と称され、好対照な二人のライバル関係はメディアを連日賑わせました。
テレビのボウリング番組は軒並み視聴率30%超を記録し、須田さんが投球時に着用していたミニスカートやヘアスタイルは、当時の若い女性たちのファッショントレンドにまで影響を与えました。二人が競い合う姿は単なるスポーツの枠を超え、高度経済成長期の熱気を象徴するエンターテインメントだったのです。