高度経済成長期の1974年に誕生した新宿住友ビルは、地上52階・高さ約210メートルという威容を誇り、西新宿高層ビル群の先駆けとなった歴史的建造物です。しかし、築40年を超えた2010年代半ばから、建物の長寿命化と現代の都市ニーズへの適応が喫緊の課題となっていました。
開発主体の住友不動産が打ち出した住友ビルのリニューアル経緯は、日本の都市再生プロジェクトにおいても極めて挑戦的な試みでした。既存の超高層ビルを解体することなく、下層部の吹き抜け空間に柱のない大空間ガラス屋根を架設するという難工事を、国家戦略特区事業の一環として完遂。2026年夏にグランドオープンを迎えました。
この大改修の背景には、単なる老朽化対策だけでなく「西新宿エリアの回遊性向上」と「防災拠点機能の強化」という明確な狙いがありました。災害発生時には三角広場が最大約2,800人の帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設として機能する構造になっており、官民連携による強靱な都市基盤づくりを象徴するプロジェクトとして高く評価されています。