ピーマン栽培において、苗を植え付けてから最初につく花を「一番花(いちばんばな)」と呼びます。この一番花をどう扱うかが、その後の収穫量を2倍にも3倍にも引き上げる決定打となります。
園芸農業の現場における定石は「一番花は咲いたら躊躇なく摘花(または極小サイズで摘果)する」ことです。家庭菜園では「せっかく咲いた最初の花を摘むのはもったいない」と感じる人が大半ですが、これは明らかな逆効果を生みます。定植直後の若い株は、まだ根が十分に張っておらず、自らの体を大きく育てる「栄養成長」に全力を注ぐ必要があります。この時期に一番花を結実させて果実を肥大させてしまうと、株の全エネルギーがその1つの実に吸い取られ、枝葉の伸長や根張りが完全にストップしてしまいます。結果として株が小さく固まり、夏以降の総収穫量が激減するのです。
一番花の処理と連動して必須となるのが「わき芽かき(仕立て作業)」です。具体的な手順は以下の通りです。
【失敗しない仕立てとわき芽かきの3ステップ】
- 一番花の分岐点を確認:ピーマンは一番花がついた場所で主枝が2〜3本に自然分岐します。
- 下位のわき芽をすべて除去:一番花が咲いた分岐点より「下」から伸びてくるわき芽(葉の付け根から出る側枝)は、すべて手で小さいうちに摘み取ります。これにより株元の風通しを確保し、泥はねによる病気を防ぎます。
- 主枝3〜4本仕立ての確立:一番花の分岐点から上に出る元気な枝を3〜4本残して支柱に誘引し、メインの骨格を作ります。以降はこの3〜4本の枝を伸ばしていくことで、光が全体に均等に届き、落花を防ぎながら圧倒的な着果数を実現できます。