口角の下垂は、単なる年齢変化だけではありません。現代人のライフスタイルに潜む複数の悪習慣が、表情筋のたるみ対策を阻む大きな要因となっています。
最大の要因の一つが、長時間のスマートフォンやPC作業によって引き起こされるスマホ首(ストレートネック)と猫背です。頭部が前に突き出た姿勢が続くと、首の前側にある「広頚筋(こうけいきん)」が常に下方向へ強く引っ張られます。広頚筋は下顎から胸の上部にかけて広がる薄い筋肉で、口角下制筋や顔下半分の皮膚と連結しているため、首の緊張がダイレクトに口角を真下へと引きずり下ろす結果を招きます。
さらに見逃せないのが、集中時や就寝時の無意識の食いしばり(TCH:上下歯列接触癖)です。本来、安静時の上下の歯の間には1〜2mmの隙間が空いているのが正常ですが、無意識に歯を噛み合わせ続ける癖があると、咬筋や口角下制筋が常に過度な緊張状態に置かれます。これにより筋肉が凝り固まり、口角が下がった状態で形状記憶されてしまうのです。