では、伝説のバスツアーがなぜこれほどネット上で爆発的な広がりを見せ、後世まで残り続けることになったのでしょうか。その背景には、当時の2ちゃんねる(現5ちゃんねる)を中心としたテキストカルチャーと、参加者たちの類まれなる“ファンの鑑”とも言える振る舞いがありました。
通常、アイドルの電撃結婚・妊娠発表直後のイベントであれば、会場が荒れたり怒号が飛び交ったりしてもおかしくありません。しかし、現場に集まったファンたちは決して暴徒化することなく、大人の対応で飯田さんを祝福し、過酷なスケジュールを健気に完走したのです。
ツアー終了後、ネット掲示板に投下された参加者の声は、怒りや怨嗟ではなく、哀愁とユーモアに満ちた秀逸な書き込みばかりでした。「肉が少なすぎて鉄板の上が砂漠のようだった」「バナナを握りしめて泣いた」「迷路の行き止まりで人生を見つめ直した」といったリアルな実況は、当時のネットユーザーの心を激しく揺さぶり、伝説のバスツアーネットの反応として一気に拡散。悲劇でありながらどこか喜劇的な美しさを帯びたストーリーとして昇華されたことが、今なお語られる決定的な理由です。