表向きには「真実の愛」や「誠の愛」という心温まる象徴として語られる勿忘草。しかし、一部の愛好家や文学界では、その裏に潜む「呪縛」や「死者の執着」といった影の側面も囁かれている。
死にゆく者が残された者へかける「忘れるな」という呪文に近い言葉。それは時に、生きている者の未来を縛りつける強烈な執着心とも解釈できるからだ。愛の深さが裏返った時、可憐な小花は途端に哀愁と恐怖の入り混じった妖しい光を放ち始める。
忘れ去られることへの根強い恐怖。これこそが、勿忘草が単なるロマンチックな存在にとどまらず、ミステリアスな怪しい魅力で人を惹きつけ続ける理由かもしれない。