一方で、ドライカレーは日本発祥の独自文化だ。その歴史は20世紀初頭に遡る。日本郵船の客船「三島丸」の調理人が、揺れる船内でカレーをこぼさずに提供できるよう、汁気を切ったひき肉カレーを考案したのが始まりとされる説が有力だ。
さらに興味深いことに、日本国内で「ドライカレー」と呼ばれる料理には大きく分けて2つのタイプが存在する。ひとつは、前述の客船スタイルをルーツとする「ひき肉を炒めて水分を飛ばしたペースト状のカレーをご飯にかけるタイプ」。もうひとつは、カレー粉と具材をご飯とともに炒めた「カレー味の炒飯(ピラフ)タイプ」だ。喫茶店文化とともに全国へ広まったのは後者のタイプであり、これが混乱の大きな原因となっている。