龍の造形は、施す部位や面積によって全く異なる美学を放ちます。伝統美を極める重厚なスタイルから、日常に溶け込むモダンなアプローチまで多種多様です。
伝統的な龍の刺青・和彫りデザインの最高峰とされるのが、龍の入れ墨を背中一面に施す大作です。背骨の起伏に沿ってうねる龍身、舞い散る桜や牡丹、渦巻く雲海や岩波を緻密に配置することで、一枚の肉体を壮大な絵巻物へと昇華させます。
また、腕部に施す龍の刺青・腕の額彫り(がくぼり)も根強い支持を集めます。見切り(雲や波で背景を黒く塗りつぶす伝統技法)を五分袖や七分袖で構成し、龍が雲間から姿を現す様を描き出すことで、絵柄に立体感と重厚な引き締まりを与えます。
一方で、近年のトレンドとして確立されたのが龍のタトゥーを女性がワンポイントで纏うスタイルです。極細のニードルで描くファインラインや、水彩画のような繊細なグラデーション(ウォーターカラー)を用い、鎖骨、足首、肋骨周辺などに華奢で優美なシルエットを配置する手法が定着しています。恐怖感や威圧感を完全に排し、自身のお守りや美的なアクセントとして昇華させるアプローチが広く浸透しています。