「レシピ通りに作ったはずなのに、なぜか味がぼやけてフライパンの底に水分が溜まってしまう」という悩みは、加熱の順序と塩分を加えるタイミングに原因があります。
野菜の細胞壁は塩分に触れると浸透圧によって内部の水分を一気に排出します。したがって、炒め物の最初に塩や醤油を入れてしまうと、小松菜から大量の水分が抜け出し、炒め物ではなく「煮物」状態になってしまうのです。
プロの料理人が実践している鉄則は以下の3点です。
- 茎と葉を完全に切り分ける:火の通りにくい「茎」から先に強火で油をコーティングするように炒め、「葉」は仕上げの20秒前に投入する。
- 調味料は事前に合わせておく:フライパンの上で計量している間に火が通り過ぎるのを防ぐため、オイスターソースや醤油、酒はあらかじめ小鉢に混ぜ合わせておく。
- 鍋肌から一気に回し入れ、強火で蒸発させる:食材に直接かけるのではなく、高温の鍋肌に当てて香ばしさを立たせ、余分な水分を飛ばしながら一気に煽る。
副菜の定番である小松菜 おひたし めんつゆ調理においても同様です。茹でた小松菜の水気を絞る際、親の仇のように強く絞りすぎると繊維が潰れて食感が損なわれます。ふんわりと優しく絞った後、めんつゆを少量かけて一度馴染ませてから再度軽く絞る「しょうゆ洗い」の技法を取り入れることで、だし汁が薄まらずにピシッと輪郭のあるプロの味に仕上がります。