本作の最大の魅力は、従来のジャンル分けを完全に破壊する緻密なストーリーテリングにある。ベースとなるのは神話的かつ壮大なSFファンタジーでありながら、一歩間違えれば人類の破滅につながる心理的な緊迫感を描いたサスペンス・スリラーの要素が全編にわたって張り巡らされている。
突如として出現した謎の物体「卵」が発する光は、手にした者の欲望や過去のトラウマを容赦なく暴き出す。観客はスクリーン上で繰り広げられる予測不能の展開に翻弄され、誰が敵で誰が味方なのか、最後の最後まで息をのんで見守ることを強いられるはずだ。