画面越しに見せる静けさや淑やかなイメージとは裏腹に、執筆活動で見せる顔には思わず笑みがこぼれるような面白さが詰まっている。エッセイストとしての本上まなみは、日常のふとした出来事や自身の失敗談を、軽妙かつ温かなタッチで描き出す名手だ。
彼女が紡ぐ文章は、飾らない人柄と鋭い観察眼が同居しており、読者を惹きつけて離さない。自然体でありながらも、言葉ひとつひとつに対する深い愛情とこだわりが感じられる。女優として他者の人生を演じる一方、文章を通して自己の内面や身の回りの世界を客観的に見つめ直す作業は、彼女自身の人間性をより豊かに育む源泉となっているのだろう。