なぜ、作者はこれほどまでに極端な構造の物語を描いたのか。きくちゆうき自身が明かしている通り、この作品の原点には過去に事故で突然他界した大切な友人の存在がある。「誰にでも明日が必ず来るとは限らない」。その当たり前すぎる真実を叩きつけるために、X(旧Twitter)というリアルタイム性の高いプラットフォームが選ばれた。
『100日後に死ぬワニ』は、単なるWeb漫画の枠を超え、タイムライン上のユーザー全員をリアルタイムの共同体験者に仕立て上げた。毎夜19時に更新される4コマ漫画を読む行為そのものが、視聴者の日常生活の一部へと化していたのだ。このインタラクティブな表現形式こそが、物語の革新性であり、読者の心を揺さぶった最大の要因だった。