制度改革をめぐる動きにおいて、行政を管轄する総務省のスタンスは非常に複雑だ。総務省の有識者会議では、ネット時代の受信料のあり方や業務範囲の最適化について度々議論が重ねられてきた。しかし、スクランブル化については「ユニバーサルサービスの維持」を優先する立場から、全面導入には消極的だ。
一方で、政治の現場に波紋を広げたのがNHKから国民を守る党をはじめとする野党や改革派議員による一連の提起だった。集金人の戸別訪問に対する批判や、受信料の強制的徴収に対する視聴者の不満を吸い上げる形で、スクランブル化は国政選挙の争点としても浮上。これがきっかけとなり、放送業界全体が受信料の引き下げや徴収コストの削減、業務のスリム化へと舵を切らざるを得なくなった側面は否定できない。