長谷川式認知症スケールのカットオフ値と判定基準|Mmseとの違いを徹底解剖

長谷川式認知症スケールのカットオフ値と判定基準|Mmseとの違いを徹底解剖

長谷川式認知症スケールのカットオフ値と判定基準|Mmseとの違いを徹底解剖に関する最新の話題を分かりやすく解説いたします。

改訂長谷川式簡易知能評価スケールは、道具をほとんど使わず口頭のやり取りを中心とした全9つの検査項目で構成されています。所要時間は約10〜15分程度と短く、被験者の身体的・心理的負担を最小限に抑える設計が特徴です。

それぞれの設問には明確な医学的意図が組み込まれており、脳のどの部位の機能が低下しているかを浮き彫りにします。

  • 設問1:年齢(1点)
    自分の満年齢を正しく答えられるか(2年以内の誤差は正解とする)。自己同一性と基礎的記憶の確認。
  • 設問2:日時の見当識(計4点)
    現在の日時(年・月・日・曜日)を質問。各1点。時間認識を司る海馬や側頭葉の機能低下を測る。
  • 設問3:場所の見当識(計2点)
    「ここはどこですか?」と尋ね、自発的に場所を答えられれば2点、病院・施設などのジャンルのみであれば1点。空間認識と状況把握力の評価。
  • 設問4:3つの言葉の記銘(計3点)
    無関連な3つの単語(例:「桜・猫・電車」など)を復唱させる。即時記憶の確認。
  • 設問5:計算問題(計2点)
    100から7を順に引かせる(100-7、93-7)。作業記憶(ワーキングメモリ)と集中力の測定。
  • 設問6:数字の逆唱(計2点)
    3桁・4桁の数字を逆から言わせる(例:6-8-2なら「2-8-6」)。注意の持続性と情報の一時保持能力を評価。
  • 設問7:3つの言葉の遅延再生(計6点)
    設問4で覚えた3つの言葉を、計算や逆唱の後に再度思い出させる。自発想起で各2点、ヒント(植物・動物・乗り物)付きで各1点。長谷川式の最重要項目であり、海馬の短期記憶定着障害を鋭敏に捉える。
  • 設問8:5つの物品の記銘・再生(計5点)
    相互に関係のない5つの物品(時計・鍵・ペン・硬貨・眼鏡など)を見せて隠し、何があったかを答えさせる。視覚的記憶と想起力の測定。
  • 設問9:言語の流暢性(計5点)
    「知っている野菜の名前をできるだけ多く挙げてください」と指示。5個以下は0点、6個で1点、7個で2点、8個で3点、9個で4点、10個以上で5点。前頭葉機能(語彙の検索と遂行機能)の評価。

この配点比率を見ると、30点満点のうち「遅延再生(6点)」と「5物品記憶(5点)」、「3語記銘(3点)」を合わせた合計14点が純粋な記憶検査に割り当てられています。初期アルツハイマー病で顕著に現れるエピソード記憶の脱落を見逃さない構成となっています。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。