世界的なシネママーケットの構造変化は、作品の評価軸そのものを塗り替えつつある。これまで映画興行収入の多寡は、作品の成功を測る最もシンプルで分かりやすい指標とされてきた。だが、数字の大きさが必ずしも作品の芸術的価値や文化的余韻と合致するわけではない。
そのギャップを埋める役割を果たしてきたのが、日本映画批評家大賞のような独立した視点を持つ批評の場だ。目先の集客性だけでなく、映像美や脚本の完成度、技術革新を正当に評価する評価体系が存在するからこそ、映画エンターテインメント業界は多様性と成熟を維持できる。