本作を不朽の名作たらしめている大きな要因は、主要キャストたちの鬼迫のこもった演技だ。主役の杉下希美を演じた榮倉奈々は、過酷な境遇に抗いながらプライド高く生き抜く女性の強さと脆さを肉体感覚を伴って表現した。病魔に侵されていく後半の凄絶な表情の変化は、観る者の息をのませる。
希美の故郷の幼なじみ・成瀬慎司を演じた窪田正孝の演技も圧巻だ。セリフが少ない中で、目線の動きやかすかな声のトーンだけで希美への無償の愛と切なさを表現。彼の静かな存在感が、物語全体の清涼剤として機能していた。
そして、太陽のように眩しく野心家に満ちた安藤望を演じた賀来賢人。彼の持つ無邪気さと、無意識に他者を追い詰めてしまう「光の暴力性」は、物語に絶妙な緊張感を与えた。榮倉奈々、窪田正孝、賀来賢人という当時の若手実力派たちがぶつかり合った化学反応は、今見返しても全く色あせない。