警視庁と警察庁の違いとは?どっちが上か組織図や階級・年収を徹底比較

警視庁と警察庁の違いとは?どっちが上か組織図や階級・年収を徹底比較

警視庁と警察庁の違いとは?どっちが上か組織図や階級・年収を徹底比較について徹底解説いたします。最新の情報をお届けします。

国家公務員と地方公務員の採用格差は、警察組織の内部ヒエラルキーを形作る根幹です。警察社会には「キャリア」「準キャリア」「ノンキャリア」という3つの絶対的な区分が存在し、スタートラインの試験種別によって将来到達できる限界点(ガラスの天井)があらかじめ厳格に定められています。

警察庁採用試験国家総合職難易度は、東京大学法学部をはじめとする最難関大学の出身者が競い合う国家公務員の最難関ルートです。毎年わずか15〜20名程度しか採用されないこの「キャリア組」は、採用直後から「警部補」の階級を与えられ、研修終了後には自動的に「警部」へとスピード昇進します。現場での巡査や交番勤務、パトカー乗務は形式的な実務研修にとどまり、30代で地方警察本部の部長や警察署長として着任します。警視監まではほぼ全員が到達し、最終的に警察庁長官、警視総監、警察庁次長などの座を巡って熾烈な出世レースを繰り広げます。

一方、国家公務員一般職試験から採用される「準キャリア」は年間に40名程度採用され、巡査部長からスタートします。ノンキャリアよりも圧倒的に早いペースで昇任しますが、到達可能な上限は概ね「警視長」から極一部が「警視監」のポストであり、組織トップの座に就くことはありません。

対する警視庁独自の採用試験や各道府県警の採用試験を突破した「ノンキャリア」は、最下位階級である「巡査」からの泥臭いスタートとなります。キャリア組とノンキャリアの出世の違いは残酷なまでに顕著です。ノンキャリア警察官が警部に昇任するためには、膨大な実務をこなしながら難関の昇任試験を何度も突破しなければならず、どんなに優秀でも40代前後を要します。

さらに、地方採用のノンキャリアが「警視正」以上の階級に昇任すると、警察法第55条に基づき、身分が東京都職員(地方公務員)から「地方警務官」として国家公務員へと身分変更されるという特異なルールが存在します。警視正以上は給与も国費から支給され、国の管理下に置かれます。ただし、ノンキャリアが警視正まで昇進できる割合は全体の数パーセントに過ぎず、警視長まで辿り着けるのは同期で1人いるかどうかの極めて稀有な例に限られます。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。