数多くのメリットがあるインゴット分割ですが、知らずに進めると後悔につながる決定的な注意点も存在します。契約前に必ず確認しておくべきリスクは以下の3点です。
① 加工費用によるコスト倒れのリスク
地金の保有量が少ない場合(例えば元が100gや200gなど)、細かく分けすぎると加工手数料の比率が高くなり、将来得られる節税効果を手数料が上回ってしまう「コスト倒れ」が生じます。分割サービスは基本的に500g以上、とりわけ1kgバーの保有者に向いた手法です。
② 「支払調書なし=無税」という危険な誤解
200万円以下の売却で税務署に支払調書が提出されないからといって、売却益への申告義務が免除されるわけではありません。年間50万円を超える譲渡益が生じた場合は、確定申告を行うのが法的な義務です。「申告しなくてもバレない」といった悪質な勧誘を行う業者には注意を払う必要があります。
③ 精錬業者の信頼性と刻印ブランド
加工を委託する業者が、LBMAなどの国際認定資格を持つ精錬工場と提携しているか確認を怠ってはいけません。無名の刻印が打たれたゴールドバーになってしまうと、将来いざ売却しようとした際に「分析費用」を差し引かれたり、買取自体を拒否されたりする恐れがあります。